某日かなり壊れたMSX2+なHB-F1XDJを購入してきました。
panasonicのMSXはメモリ増設記事があるのですが、sonyのほうはあまり情報が載っていません。
詳細はMSX.orgさんにあるとおり
DRAMで256kbまで増設する記事はあります。
ただこの場合、S1985のマッパは利用されていません。(sonyのカスタムICで制御)
このMSXはS1985がのっており、幸い自分はA1Fで512kb化もやっているので、同じように増設できるか調べてみることにしました。
■調査
まずはネットに転がっていますF1XDのサービスマニュアルとS1985のデータシートを用意します。
F1XDのスロット情報および日本語キーボードの利用として
S1985の初期レジスタ
・MSX-JE用に利用するためSLT02とSLT03の拡張
・SJIS
の2つを有効化するためにどこかで
/X6と/X3をLo(0)にする必要があります。
次に参考でF1XDの回路図をみてみると、赤色のところでキーボードの各箇所を接続していますね。
ただF1XDJでは同じ部品はありませんが、
リセットICそばで処理しているとおもうので、テスターで怪しいダイオードを探します。
さがすといい具合にみつかりました。
D5とD4にキーボードの/X6と/X3がつながっています
では早速改造にうつります。
必要な部品は
0.18mmのUEW
HM628512、DIPでもSOPでも(amazon等でかえます)1個
積層セラミックコンデンサ(50v0.1) 1個
1N4148 1個
ベーク版(SOPの場合必要かも)
瞬間接着剤(ベーク板にSOPのHM628512を張り付ける)
両面テープ(基板にSRAMを張り付ける)
ハックルー(UEWを固定する、任意で用意)
はんだごて
フラックス
ピンセット
ルーペ等拡大できるもの
くじけぬこころ
■S1985のMA18を利用できるように本体の改造
さてここで、S1985は電源投入(リセット)時に特定レジスタをLoにすることで機能が増えるということでしたが、今回の場合、/X5を秋月のこのダイオードを使い、リセットICの足につなぐことで
MA18までを利用できるようにします。
近くの抵抗アレイに該当の信号がきているので、簡単にはんだ付けします。
■SRAMの基板に固定
基板のS1985とZ80の間に場所がありましたので、ベーク板を切り出して、SOPのSRAMを乗せたものを、両面テープではりつけます。
基板に直接瞬間接着剤ではってもいいのですが、この基板は片面に2層で配線してるので、あまり熱を伝えたくないので両面テープで張っています。
■SRAMの電源
基板の端っこに電源が伸びていますので適当に拝借します。
HM628512
GND(pin16)
VCC(pin32)
写真のC45 C44のシルク印刷部分のところから電源をとります。(写真には載っていませんが、この間に積層セラミックコンデンサを両端に接続しています)
■SRAMの配線1
まずS1985のPIN3~7を引き出します。
フラックスをS1985の端子にぬり、UEWも予備はんだをすれば取り出せると思います。
S1985———-HM628512
MA18(pin3)—–A18(pin1)
MA17(pin4)—–A17(pin30)
MA16(pin5)—–A16(pin2)
MA15(pin6)—–A15(pin31)
MA14(pin7)—–A14(pin3)
S1985から取り出した直後でハックルー等でワイヤーを固定してください。
■SRAMの配線1
つづいてS1985のPIN53を引き出します。
S1985 HM628512
SLT30(pin53)—–CS(pin22)
■SRAMの配線3
のこりの配線をZ80から行います。
Z80———–HM628512
A13(pin3)—–A13(pin28)
A12(pin2)—–A12(pin4)
A11(pin1)—–A11(pin25)
A10(pin40)—-A10(pin23)
A9(pin39)—–A9(pin26)
A8(pin38)—–A8(pin27)
A7(pin37)—–A7(pin5)
A6(pin36)—–A6(pin6)
A5(pin35)—–A5(pin7)
A4(pin34)—–A4(pin8)
A3(pin33)—–A3(pin9)
A2(pin32)—–A2(pin10)
A1(pin31)—–A1(pin11)
A0(pin30)—–A0(pin12)
配線が終わりましたらハックルー等でワイヤーを固定します。
■SRAMの配線4
Z80———–HM628512
WR(pin22)—–WE(pin29)
RD(pin21)—–OE(pin24)
D7(pin13)—–IO7(pin21)
D6(pin10)—–IO6(pin20)
D5(pin9)—– IO5(pin19)
D4(pin7)—– IO5(pin18)
D3(pin8)—– IO5(pin17)
D2(pin12)—– IO5(pin15)
D1(pin15)—– IO5(pin14)
D0(pin14)—– IO5(pin13)
配線が終わりましたらハックルー等でワイヤーを固定します。
■WORKRAMの除去
ここで忘れずに元々のっている、IC7とIC8を外します。
外し忘れると64kbyteのままです(1敗)
■電源投入
電源をいれると、MSXロゴと一緒に512kbyteがでていますでしょうか?
スピコンを有効にして起動しても512kbyteなことを確認してみてください。
出ていない場合、配線を今一度見直してみてください。
NEXTOR2かMSXDOS2の入った似非SCCが起動すると思います。
■まとめ
この方法は他のsonyのHITBITでも同じように行えると思います。
昨今のHM628512も安いので試してみてはいかがでしょうか。